徹マガ第2フェーズに向けて
2010.07.31 saturday
  14日にワールドカップの取材から帰国した。息つく間もなく、まずは溜まりに溜まった郵便物の整理、現地から持ち帰った領収書の仕分け、実家の両親へのあいさつ、ご無沙汰していた人々との飲み会、そして大学での講義と、本業以外で何かと忙しくしていた。特に切羽詰まった締め切りがなくて、本当に助かった(あとで1本、大会期間中に原稿依頼があったことを忘れていて、大いに慌てることになるのだが)。

 とはいえ、そろそろ気持ちを切り替えなければならない。ポスト・ワールドカップに向けた行動を本格的に進行させる必要があるからだ。具体的には、次の書籍に向けた具体的なプランニング、そして宇都宮徹壱公式メールマガジン「徹マガ」の第2フェーズへの展開である。前者については、すでに来年1月に出版の方向で話が進んでいる企画があり、これとは別に新たな書きおろし企画を温めているところだ。いずれ具体的なお話をする機会もあるだろうが、今はその時期ではない。今回は後者についてのみ言及しておく。

 さて、徹マガの第1号が配信されたのが、5月25日。以来、7月末現在で12号が配信されている。スタートがワールドカップ直前の壮行試合、対韓国戦の直後であり(何だか随分と昔のような気もするが)、その後はスイス合宿、そしてワールドカップ取材と国民的関心を喚起するイベントが続いたので、徹マガもまたその余波に乗っかることができた。コンテンツの内容もワールドカップに関連したものでほぼ占められていたし(ある意味、他媒体との書き分けさえ意識していれば良かった)、物珍しさもあって会員数も急激な伸長を示していた。第1フェーズとしては、申し分ない立ち上がりであったと思う。

 問題はここから。まさに「ポスト・ワールドカップ」をどう生き延びていくか、であろう。具体的には2点。ワールドカップという旬の話題が過ぎてからも、いかに魅力的なコンテンツを提供し続けていくことができるか。と同時に、個人メディアという新たな試みが、この出版不況の中にあって、いかに書き手の生きる場を提供できるか。これらふたつの命題をどう克服していくかが、徹マガ第2フェーズのテーマであると考える。

 このうち前者については、実のところあまり悩んではいない。要は、マスメディアで出来ない面白そうなことを、好きなようにやらせていただく。これに尽きると思う。ちょうど今日は、世界選手権に臨むブラインドサッカー日本代表の練習を取材させていただいたのだが(第13号で配信予定)、どんなに興味深い取材ができても、残念ながらマスメディアの反応は決してビビッドなものではない。理由は簡単、マス向けではないからだ。しかしグズグズしていると、旬な情報はどんどん枯れていってしまう。ならば、私が現場で感じたブラインドサッカーの面白さや奥深さを、徹マガの会員の皆さんに共有すればそれでよいではないか、という割り切りがすぐにできる。こうしたフットワークの軽さこそが、個人メディアの真骨頂を言えよう。

 ちなみにブラインドサッカーのあとは、インタビューものが続く予定だ。まずは映画「アイコンタクト」の中村和彦監督と「クラシコ」の平澤大輔プロデューサーに、日本のサッカードキュメンタリーの現状と課題について語っていただこうと思う。その後は、東南アジアの某リーグにビジネスチャンスを見出した方、そしてスポーツライティングに造詣の深い女性ミュージシャンの方に、すでにアポイントが取れている。いずれの企画も、マスメディアではなかなか実現しないであろう、まさに「徹マガならでは」の自由奔放さだ。いささか上から目線な物言いで恐縮だが「作り手が面白がれなければ、その面白さは他者には伝われらない」というのが、徹マガの基本方針である。今のところ、お陰さまで面白いネタには事欠かない状況が続いている。

 さて後者、すなわち「個人メディアという新たな試みが」「いかに書き手の生きる場を提供できるか」についてはどうか。こればっかりは、続けてみないと分からない、というのが正直なところである。ただ現時点で言えることは、今後、個人メディアを立ち上げようとするフォロワーは確実に増えるだろう、ということだ。実際、知り合いの同業者の何人かは、来月から自身の有料メルマガを立ち上げると聞いている。ちょっとばかり先駆者である私としては、その勇気ある試みを大いに歓迎したい。経営的には「ライバル」なのかもしれないが、そこは市場の小さい個人メディア。同じサッカーがテーマであっても、顧客の奪い合いとなることは、あまりないのではないかと思っている。むしろ、さまざまなタイプのメルマガが共存共栄しながら、新たな表現の場を確立させていけば、むしろ業界の未来は明るいとさえ言えよう。

 そんなわけで徹マガは、ポスト・ワールドカップにおけるムーブメントの同志を引き続き募集している。興味を持たれた方は、ぜひこちらから申し込んでいただければ幸いである。

 
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